アファンタジアと反応速度

アファンタジアの人々の報告として、「球技が苦手」というのも少なくないようです。
私の場合は幼少期より野球、中学からはサッカー部に入りゴールキーパーをしており、むしろ得意な方でした。「天才キーパー」であったと言っても差し支えないでしょう。

このブログは、アファンタジアの優位性を主張することに重きを置いております。多くの場合「サンプル数:1」です。運動工学の知識のある方や本物のアスリートの方々、もっと上のレベルのゴールキーパーの方々が聞くと鼻で笑うような内容になっているかもしれませんが、しばしお付き合いをいただけましたら幸いです。

前置きとして

中学時代、私は補欠でした。「天才キーパー」であることは間違いないのですが、控えに甘んじておりました。言い訳をすると、私の通う中学校のサッカー部は、ひとつ上の学年は大阪府の大会で優勝して全国に行き、自分の学年も市の総体では優勝できました。レギュラーのキーパーは2年生時から試合にでており大阪府大会優勝メンバーであり、関西選抜に選ばれるような選手でした。私はというと身長が低く(現在公称170cm)、声が高くて通りにくく、判断力やリーダーシップに難があり、「守護神」にはおよそ適さないスペックであることは自覚しておりました。ただ、打たれたシュートに反応して止めることに関しては優れていました。
監督もそこを高く評価してくれていて、PK戦になれば私を使うとチーム戦略として決めていました。大会で同点のまま延長戦に入って、試合が決まらずPK戦になりそうだと、延長戦後半終了間際に私が交代で入って出場するのです。そのためにいつも交代枠をひとつ残してありました。実際に、私達の最後の大会である総体の準決勝でPK戦になり、私が出場して見事勝利して決勝進出、そのまま優勝して最後の大会を終えることができました。

ペナルティキックとは

サッカーの試合の中継でペナルティキックやPK戦の場面を見たことはあるでしょうか?PKの場合、キーパーは多くの場合、キッカーが蹴る前に左右どちらに動くか決めています。

ちょうどこの写真のように、勘であったり読みであったり駆け引きであったり、あるいはデータや確率を基に、多くの場合、相手が蹴る前に動く方向を決めて、左右どちらかに動きます。少なくともどちらかの足にに重心をかけておきます。蹴られてから反応していると、間に合わないからです。この写真の場合、キッカーの軸足のつま先が右方向を向いているので右に蹴られた可能性が高く、このキーパーは止めているかもしれません。しかしそれはキッカーの意図的なフェイントで、逆方向に蹴られる場合もあります。このようにサッカーのペナルティキックというのは心理戦であり、最終的に運の要素も強いのです。

天才ですから

中学生当時の自分の場合、蹴られてから反応して、かなりの確率で止めることができていました。もちろん反応はできても身体能力的に間に合わないこともあり、すべて止められる訳ではありませんが、確率が明らかに高かったのです。
当時、自分としては、動体視力と反射神経に恵まれているからだと思っていました。

高校ではサッカー部に入部してすぐにレギュラーで試合に出場することができました。
ある時、試合でオーバーヘッドキックでゴールを決められて負けたことがありました。試合後、なぜ止められなかったのかを考えていて、ふと、気付きがありました。シュートを打たれた瞬間の『判断した記憶』が無いことに気付いたのです。
ゴール右上方向に飛んでくるから、右上方向に飛ぼう、と考えて判断して動いているのではなく、反射的に動いているのだと、気付きました。それはその時に限ったことではなく、以前からずっと、そうやってシュートに反応していたことがわかったのです。その翌日の練習でその点を意識してシュート練習を受けてみると、どうもシュートを打つ選手の足にボールが当たるより前に、反応しているような感覚がありました。

三流アマチュア草サッカーGKの、考察

ゴールキーパーがシュートに反応するメカニズムとしては、『蓄積された過去に受けたシュートの記憶から、今から打たれるシュートの状況に近い記憶を抽出して、放たれる軌道を推測して、無意識に反応している』のではないかと考えます。ドリブルからのシュートや、ワンツーパスからのシュートなどは、キーパーは練習で何千何万回と受けます。その過程で、地面にあるボールをキッカーが足で蹴るシュートのパターンは刷り込まれていきます。「この転がり方をしているボールを、この体勢でこの足の振りでシュートを打つと、この方向に飛んでくる」というのはボールが足にインパクトする前にわかってくるようになります。ヘディングシュートの場合、丸いものに丸いものが当たって飛んでくるので難しいのですが、ある程度はわかります。ただ、オーバーヘッドキックのようなアクロバティックなシュートは勝手が違ってきます。

【TOP10 GOALS】オーバーヘッドシュートをランキング!オーバーヘッド編

見慣れていないから、あるいは刷り込まれている情報と上下反対で脳が混乱する為か、どうしても反応が遅れます。 上の動画のキーパーもほぼ動けていないか、力なく倒れているだけで、俊敏に反応でいきていない選手がほとんどです。おそらく、セパタクローの選手なら違う反応になります。

【セパタクロー】足のバレーボール 驚愕のジャンプ力!!【マイナースポーツ】

ここからがアファンタジアなんです

ここからが本題です。なんとここまでは前置きです。

中学時代の私の異様な反応速度は、アファンタジアの才能のひとつであったのではなかろうか、ということです。映像を呼び出して脳内で観察することはできないにしても、映像の記憶は脳内のどこかに存在しています。昨日会った人の顔を今、思い出そうとしても頭にイメージできませんが、会えばその人だとわかります。
瞬時に過去の映像の情報から参照して特定の情報を抽出する際、ハッキリとした映像で記憶を再現できる人よりも、抽象化してなんらかの信号で呼び出しているアファンタジアの方が速いのではないか、という主張です。

あくまで、仮定の上に仮定を重ねたデタラメ考察です。
サンプルである私は、高校受験期に急激に視力が低下し、2.0から0.6まで落ちてしまい、かつての反応速度を失いました(現在は0.01以下で要眼鏡等、です)。それでも、高校、社会人とキーパーをしていましたが、反応は速いと評価されていました。

もしも私の視力が低下していなくて、私が判断力に長けていてリーダーシップがあって、よく通る説得力のある声質でカリスマ性があって、身長が2メートルあってベッカムばりのイケメンであったなら、日本サッカーの歴史は変わっていたことでしょう。
イケメンはともかくとして、このスペックを持ったアファンタジアゴールキーパーが現れる可能性はあります。いや、もしかすると世界のトップゴールキーパーの中にすでにアファンタジアが含まれている可能性も・・・、否定できないかと思います!

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